お金をどう工面するか(資金づくり)
住宅資金の基本3原則
1住宅資金をどういう方法で用意するか
住宅資金は、自己資金と住宅ローンの組合せで考えることが基本となります。
自己資金
最低何%が必要か?
一般的に、総費用の少なくとも20〜30%程度を自己資金で用意するのが望ましいといわれています。
分譲マンションの広告などに、頭金10%から購入できますなどとあります。確かに、分譲マンションなどで提携ローンがついている場合には、頭金が10%でも購入可能です。しかし、戸建住宅を新築する場合は、そうはいきません。
融資に有利な積立
家づくりの自己資金は、毎月少しずつ積み立てて行くことが大切です。金融機関の住宅財形貯蓄などが代表的なものですが、自己資金づくりに役立つだけでなく、財形融資を受けることができるので大変有利です。
贈与税の特例
自己資金は、今すぐに自分で用意できる現金や預貯金だけでなく、ご両親などに資金援助をしてもらうといった資金も自己資金として組み入れることができます。
通常、贈与税はとても高い税率ですが、住宅取得資金等に係る相続時精算課税制度の特例を利用することができます。一定の要件を満たせば、親から住宅資金の贈与は3,500万円までは非課税となります。
共有名義と親からの借金
親に出資してもらい、負担した資金の比率に応じて、住宅を共有名義にする方法があります。この場合、税金の問題はありません。贈与税の特例枠を超えて資金援助を受ける場合には、とても有効な方法です。
また、親からお金を借りるという方法もあります。この場合、たとえ親からの借金であっても、他の借入金の返済も含めて返済可能な状況であること、返済の事実があることが認められなければなりません。返済原資が不明瞭であったりすると、贈与とみなされる危険性もあるので、あまりおすすめできる方法ではありません。
2住宅ローンは何が有利か、具体的に有利な資金ってなに?
どこの、どんな融資を受けるのがよいかを決める大きなポイントになるのが、住宅ローンの金利です。
住宅ローンの返済は長期間なので、わずかな金利の差が返済総額の大きな差になります。例えば、1千万円を期間25年の元利均等返済で借りた場合、金利が1%違うと、毎月の返済で約5000円、25年間の返済では約150万円の違いが生じます。
金利が固定金利か変動金利かもポイントです。目先の金利が低くても、将来の金利上昇により思わぬ支払い増額を招く危険性も考えなければいけません。一般的には、長期間金利が固定されている融資が有利と言われています。
住宅ローンには、金利に保証料を含める場合と含めないタイプがありますので、金利については、これも含めて考える必要があります。
3いくら借りられるかではなく、いくら返せるかを基準に
住宅ローンの上手な借り方
返済方法
返済方法には、元利均等返済と元金均等返済の方法があります。

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元利均等返済
元利均等返済とは、毎月返済する元本と金利の合計額が一定になるような返済方法です。毎月の返済額が
一定だと家計のやりくりを考えやすく、住宅ローンの大半がこの元利均等返済になっています。
ただし、返済当初は、返済額の内訳は元金よりも金利分の方が多いため、元金がなかなか減らないので、
返済総額が結果的に大きくなることにもつながります。
元金均等返済
元金均等返済とは、元金を毎月均等額返済する方法です。元金が着実に減り、金利を含めた返済額が徐々に減少していきます。ローンの元金部分のみを毎月一定額返済していき、金利部分はローン残高が減るにしたがって支払額も減少していきます。借入額、金利、期間という3つの条件が同じ場合、返済総額が元利均等返済よりも少なくなるメリットがあります。
ただし、当初の返済額が多くなるため、十分な月収がないと借り入れ審査に通りにくい、扱っている金融機関が少ない(公庫融資や財形融資などの公的融資や、公的融資と民間融資の中間的な存在である「フラット35」などでは利用できますが、銀行などの民間融資では利用できないところがかなりあります)といったデメリットもあります。
金利の種類
住宅ローンを組むときに悩む一番のポイントは金利です。固定金利と変動金利があります。
住宅ローンの変動金利・固定金利は、どちらが優れているというものではなく、それぞれに一長一短があります。住宅ローンを借り入れる際の変動金利・固定金利のどちらを選択するかは、それぞれの長所・短所をふまえて、自分で判断しなければいけません。
固定金利

固定金利とは、住宅ローンを借り入れる段階で将来の金利を一定に定めてしまうタイプの住宅ローンのことをいいます。
従来は、固定金利住宅ローンといっても、当初2年間というようなごく短期間の固定金利住宅ローンしかありませんでしたが、最近は、「35年固定金利3.120%」といった、超長期の固定金利商品も取り扱われるようになってきています。
変動金利

変動金利とは、利息を支払う都度金利水準を定めることをいいます。住宅ローンを借り入れた段階では将
来の金利は決まらず、利払いの時点で支払利息額が決定される住宅ローンです。
変動金利の計算基準となる金利は、住宅ローンの場合には、一般に短期プライムレート(銀行間の取引の基準となる金利水準)が用いられます。
借入先の選び方
固定金利といえば、以前は住宅金融公庫が主流でした。しかし、平成19年4月に住宅金融公庫は住宅金融支援機構となり、原則として公庫融資は使えなくなりました。代わって登場したのが「フラット35」です。
民間の銀行ローンなどでも、一定期間だけ固定金利が適用され、その期間終了後に固定金利と変動金利を再選択できる方式のローンも登場しています。
また、公的融資として、財形住宅融資や自治体融資などがあり、それぞれ特徴があるのでよく検討してみるとよいでしょう。
フラット35
民間金融機関と住宅金融支援機構が提携して提供している長期固定金利住宅ローンです。長期固定金利住宅ローンは、資金の受取り時(融資実行日)時点で、返済終了までの金利・返済額が確定する住宅ローンです。
ローン自体は、民間銀行の全期間固定のローンとなるため、提携する銀行によって金利に差があります。
住宅ローンはいくら借りられるのでしょう?
借入可能額
住宅ローンの限度額は、いくら借りられるかではなく、家計からみていくら返せるかで考えることが原則です。とはいえ、ローンの種類により、借りられる限度額も決まってきます。
フラット35

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公的融資のひとつ「フラット35」とは、公庫との連携により登場した最長35年間の固定金利ローンです。保証料も繰上返済手数料も不要など、大変魅力的な住宅ローンです。
融資を受けるためには、住宅や敷地について公庫の定める条件に適合している必要があります。たとえば、住宅面積は70平方メートル以上、長期修繕計画が定められていること等の条件があります。また、申込者の条件としては、申込日現在で原則70歳未満、自分で所有して居住する住宅を建てる方で、毎月返済額の4倍以上の月収(ボーナスを含む年収の12分の1)があることが必要です。
夫婦共に収入がある場合は、2人分を合算できます。収入を合算することはできます。
ただし、申込者の年収以外に、住宅の規模や構造、地域などに応じた融資限度額が設けられていますので、その限度額と、申込者の年収から割り出した限度額を比較し、少ない方の額が限度額となります。
民間融資
金融機関によって詳細は異なりますが、全般的には、公的融資よりも条件は緩やかで、ローンの種類も豊富です。かつては、公庫融資だけでは足りない場合に民間融資を使うというセオリーがありましたが、金利のタイプを途中で変更できる固定金利選択型ローン、35年の長期固定金利ローン等が低金利で登場したこともあり、場合によっては民間融資のほうがフラット35よりも有利なこともあります。繰上返済についても、フラット35は100万円以上からしかできませんが、民間住宅ローンの中には1円からいつでも無料で繰上返済できるローンも登場しています。
民間融資の住宅ローンの限度額は、年収に応じて年間のローン返済額の占める割合の限度を決めています。年収に応じてたとえば、建築基準法などの法的制限を満たしている住宅ならば、物件による制限はありません。たとえば、年収300万円未満では25%以下、300万円以上400万円未満では30%、400万円以上では35%といったように、各金融機関によって決められています。
フラット35より借りるときは楽ですが、ポイントは、返すときに楽かどうかということです。フラット35と民間融資を比較検討し、余裕のある返済計画を立てましょう。
住宅ローンの上手な返し方
ローンを上手に返す代表的なものとして、繰り上げ返済、条件変更、借り換えの3つがあります。
繰り上げ返済
繰り上げ返済は、毎月の返済額とは別に、まとまった金額を返済することをいいます。繰り上げ返済した金額は、基本的にはローンの元金に充てられるので、その後の金利も減りローン負担が大きく減少します。
毎月の返済額はそのままにして、元金と利息が減った分、期間が短縮される期間短縮型と、繰り上げ返済後も返済期間は変えずに毎月の返済額を減らす返済額軽減型があります。どちらも、ローン負担を軽減できますが、同じ金額を繰り上げ返済するなら、期間短縮型の方が軽減効果は大きくなります。
繰り上げ返済は、早いうちに行うと支払う利息が大きく減って、負担軽減効果は大きくなります。いくつものローンがある場合には、
(1)金利が高いローン、
(2)返済期間が長いローン、
(3)残高の多いローン
の順に繰り上げ返済をした方が有利です。
条件変更
条件変更とは、住宅ローンの返済条件である、返済期間、ボーナスと毎月の返済比率、返済タイプなどを変更する方法です。返済条件の見直しも大切なポイントです。
具体的には、
・生活にゆとりがあれば、返済期間を短縮して毎月の支払額を増やし、返済総額を減らす
・毎月の返済額を一定にする元利均等返済から、元金の返済額を一定にする元金均等返済に変えることで、返済総額を減らす
・共働きをやめたり、転職などで収入が減少等で少しでも月々の返済額を減らしたい場合には、返済期間の延長をする
・元金均等で返済している場合には、元利均等返済に変えることで、当面の毎月返済額は減少させる
・ボーナス返済が多すぎる場合には、ボーナス返済の割合を低くして、毎月の支払いを多くする
など、いろいろと方法があります。
以前は条件変更が認められないケースも多かったのですが、最近は誰でも手数料を払えば、認められるようになっています。借入先の金融機関に申し出て、変更した場合の返済額などを計算してもらい、十分に納得してから申請するとよいでしょう。
借り換えのメリットを検討
借り換えとは、現在のローンを完済して、他のローンに組み替えることです。たとえば、高金利のローンから低金利のローンへ組み替えたり、旧タイプの不利なローンから新タイプの有利なローンへ組み替える場合が典型です。
具体的には、公庫融資は固定金利なので、高金利のときに借りた方は、低金利の民間ローンに組み替えた方が有利なケースが多いようです。ただし、どんな場合でも借り換えた方が有利という分けではありません。
異なる金融機関のローンに借り換える場合には、新規にローンを組む場合と同様の手続き費用や担保設定費用がかかり、最低でも20万〜30万円は必要になります。ローン残高が少ない場合や、返済期間がそれほど残っていない場合、金利差が小さい場合には、借り換えのメリットはあまりないということになります。
借り換えの目安のひとつとして、
・ローン残高が1000万円以上残っている
・返済期間が10年以上残っている
・借り換え後の金利が1%以上下がる
場合には、借り換えを検討してみる価値はあるでしょう。住宅ローンは、借りるまでだけでなく、借りたあとも、無理や無駄がないか、いろいろと見直しをしてみることが大切です。